報連相と聞くとどのようなイメージを思い浮かべますか?堅苦しいや面倒くさいなどネガティブなイメージを思い浮かべる人は少なくないでしょう。しかし、多くの企業が身につけさせようと研修を実施するほど、円滑な業務遂行や職場環境の活性化のために、必要不可欠なものです。
報連相が適切にできていないと、取引先や顧客に甚大な被害や迷惑をかけたり、業務効率の悪化につながる恐れがあります。
報連相とは
報連相とは30年以上前に誕生したビジネス用語で報告・連絡・相談の頭文字をとった用語です。全て相手に伝える行為ですが、使う場面や用途はそれぞれ異なります。
報告
仕事の進捗状況や業務における結果や成果などを伝えることです。
連絡
業務に関する情報や、自分のスケジュールを共有することを連絡と呼びます。
相談
業務における質問や不明点、トラブルが発生したときにアドバイスをもらうことを相談と呼びます。
報連相のメリット
報連相を行うことで得られるメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
仕事を安心して任せられる(進められる)
報連相を行うことによって得られるメリットの一つに仕事を安心して任せられる(進められる)ことが挙げられます。
上司への報連相を適宜行うことで、上司は作業進捗を把握でき、安心を確保できます。細かく報連相を行うことで、仕事に対するまじめさが評価され、任せてよかったとポジティブな印象を与えるきっかけになるでしょう。
報連相のやりすぎは迷惑をかけてしまうと考えてしまうかもしれませんが、上司からすると報連相によって多くの安心をもって仕事をすすめられるので、遠慮なく報連相を行うべきです。
効率的に仕事をすすめられる
報連相を行うことで効率よく仕事が進められます。どのくらいの日時で依頼した仕事ができあがるのか明確であれば新しい仕事を用意し、上司がやるべき仕事のイメージができるため、どちらにとっても効率よく仕事を進められるのです。
トラブルに対して適切に対処できる
トラブルが発生した場合は、速やかに報連相することが重要です。トラブルの背景には多くの人に迷惑をかけてしまうケースや、上司と一緒に先方へ謝罪しなければ解決できないケースもあり、先延ばしにしていると甚大な被害が生まれてしまうことを配慮しなければなりません。
トラブルには必ず予兆があるため、仕事を進めていて不穏な空気を感じたら、すぐに上司に相談することで、大きな問題を回避できます。もし、トラブルになってしまっても早急に相談していたことで最小限の被害で抑えられる可能性もあります。
トラブルを報告するには勇気がなければなりません。怒られるかもしれないと不安になるからです。しかし、トラブルが起こってしまった原因が自分にあった場合、速やかに上司に伝え、対処すればいいのか解決方法を仰ぎましょう。
人間関係を良好にする
細かな報連相は上司との人間関係を良いものにします。上司は報連相を適切に行う社員には安心できる存在とポジティブなイメージを抱きやすくなり、報連相をする社員も自分の相談に乗ってくれてアドバイスをくれる上司に尊敬しやすくなります。このように報連相は人間関係をよくして信頼関係を強固にするメリットがあるのです。
さらに報連相の機会が増えることで人となりがわかってくるため、提案や注意がしやすくなるきっかけにもなります。わからないことをそのままにしておくと、ネガティブな評価を受けてしまうかもしれません。しかし、報連相を行うことで、人間関係が良好になり、仕事もしやすくなるでしょう。
報連相をしないデメリット
報連相を怠っていると様々な問題が発生してしまう恐れがあります。
問題の原因が不明確になる
報連相をしていないと、どのような場面で問題が起こったのかわからなくなってしまいます。従って問題解決の方法がわからなくなり、解決までに時間がかかってしまいます。解決までの時間がかかると次の業務に移れなかい、周囲の人の業務を停めてしまう恐れがでてくる事態に。問題が発生した段階で報連相するようにしましょう。
業務の進捗状況が分からなくなる
報連相をしていない状況だと、上司は部下の進捗状況を把握できなくなります。状況が把握できないと仕事を安心して任せらなくなり、信頼関係も生まれません。
大きなトラブルになってしまう
報連相をしなかったことで、大きなトラブルになる恐れがあります。業務のミスを放置したことで大損失を生んだり、取引先に問題を起こしたことを報告しなかったことで、数億円の取引がなくなるトラブルが起こってしまいかねません。
チームとしての連携が弱くなる
報連相をしていないとチームの連携が弱くなり、意思疎通が取れなくなるかもしれません。このことでチームの業務進捗が遅れ、メンバーの仲が悪くなってしまうかもしれません。最終的にはチームとして機能しなくなります。
報連相を行うタイミング
報連相するタイミングはどのような場面が挙げられるでしょうか。報連相の必要なタイミングについて紹介します。
ミスやトラブルが発生したとき
業務で何かしらの問題が発生したときは、すぐに報連相し今後の方針について確認する必要があります。ミスやトラブルを早く報告できるほど、対応が早くなって大きな問題になる前に解決できるので、取引先や顧客の信頼を損なわずにすむでしょう。
報連相が必要なタイミングは、業務におけるミスや進捗で問題が起こった場合に挙げられます。
進捗で一区切りついたら
業務の進捗状況がどのくらいなのか、定期的に報連相することで信頼関係を築きやすくなります。コミュニケーションの活性化だけではなく、仕事の軌道修正しやすいメリットもあるでしょう。
作業に一区切りついたら、報連相するタイミングとなります。
スケジュールに変更があったら
業務のスケジュールに変更があった場合、今後の進め方について上司に報連相しましょう。業務全体の予定を調整し直すための事前準備ができるため、変更点をカバーして業務を止めずに進められます。
業務の日程や進め方が変更された場合、情報を共有しておくことでもめ事を起こさずにすむので、報連相をすべきでしょう。
不適切な報連相のタイミング
報連相をする前に周りの状況を見ながら声をかけないと、印象が悪くなるかもしれません。
忙しい時に声をかける
相手に余裕がない状況の場合、緊急時以外は避けたほうがいいでしょう。何時でも構わない状況なら、相手の状況を観察しながら落ち着いたときに改めて声をかけると、余計な摩擦が避けられます。
チャットツールなどを活用してメッセージとして残しておき、後から声をかける方法でもいいでしょう。
会話を遮って報連相する
上司が他の社員と会話しているときは、基本的に報連相は後回しにしてタイミングを見計らいましょう。緊急でもない場合、会話が終わってから声をかけると、相手からよくない印象を持たれることはありません。
報連相が細切れで業務の妨げになる
報連相はコミュニケーションコストを減らすためにもまとめて伝えるということも大切です。たとえばメールや対面でのやりとりが細かく続くと、相手が仕事に集中できなくなります。場合によっては仕事にならないと人間関係の摩擦につながる恐れも。報連相の細切れは業務の妨げになるので、注意が必要です。
横文字や略語を多用しない
横文字や略語を使いすぎると文章の意味が分かりづらくなり、文章の意味が伝わらなくなる恐れがあります。よって多用は控えたほうが無難です。若年層から年配の方まで、すべての世代に理解してもらえる言葉を使って話しましょう。
誰にでもわかる言葉で伝えようと意識できれば横文字や略語を多用することは減るはずです。
また、上司や先輩社員を不機嫌にしない言葉遣いも大切です。「でも」「だって」「けれど」と反論してしまうとイライラさせてしまい、親身になって聞いてもらえなくなるかもしれません。仮に納得できないことを言われても最後まで話を聞くことが重要です。
報連相の伝え方
報連相を円滑にするには目的、伝える対象、伝え入る事柄を明確にすることが大切です。
目的を明らかにする
どうして報連相が必要なのか、行動を起こす前に考えてみましょう。
- 事実を伝えるだけでいいのか
- 事実を伝えた上で自分の意見も伝えたいのか
- 事実を伝え、自分の意見も伝えたうえで、アドバイスが欲しいのか
伝えるにあたり目的を明らかにしておくと、相手にもわかりやすく伝えられます。報連相の目的は情報の共有です。それぞれの行動において情報を共有する意識がなければ相手に伝えたいことが伝わらなくなります。
相手に正確な情報を共有することで初めて報連相は成り立つといえるでしょう。
伝える対象を考慮する
伝える対象とは、
- 伝える相手(上司なのか、同僚なのか、顧客やクライアントなのか等)
- 相手の取り巻く環境(会議中か、メールか、電話なのか等)
- 相手のタイミング(報連相する時間の有無)
を指します。これらを考慮することで伝える手段が変わってきます。例えば急を要するなら口頭でわかりやすく伝えないといけません。
伝える事柄を整理しておく
伝える目的と対象を明確にしたら、伝える事柄を整理しておきます。ポイントは事実と自分の意見を混同しないことです。事実と意見をきちんと分け、伝える事柄を整理したら最後は最善の手段で伝えましょう。
伝える事柄が事実のみであれば、口頭で端的にわかりやすく行うことが求められます。伝える事柄が複雑で、自分の意見を含む場合は資料を用意し、相手の理解を促す必要があるでしょう。
報連相は情報を正しく共有することで、業務を円滑にして良好な人間関係を築くことができます。また、トラブルを未然に防ぎ、迅速な対応を行うためにも必須です。
口頭やメール、チャットツールなどを駆使して報連相を行いましょう。
報連相は社会人の基本スキルでありますが、一生使えるスキルです。ぜひ身につけてください。